ヒップシートのポルバンは人気通り使いやすいの?

ポルバンはTwitterなどのSNSで非常に盛り上がっているヒップシートなのですが,ヒップシートとしての実力はいかほどか検証していこうと思います。

人気ヒップシートの要素ってなんだと思いますか?

ヒップシートに求める要素

コスパがいい!?

機能が優れている!?

使いやすい!?

軽量でコンパクト!?

他にはないアピールポイントがある!?

色々と列挙してみましたが,今回は注目されているヒップシートのポルバンを徹底解剖していきましょう!この記事を読むとポルバンの優れている点ともう少し頑張ってほしい点が理解できて、これからのヒップシート選びの参考になるかと思います。

3分ほどで読めますので、ポルバンが気になる方は少しだけお付き合いくださいね。

ポルバンはラッキー工業のヒップシートだよ

ラッキー工業は1934年創業のおんぶひもを製品化したベビーキャリアのパイオニアです。

創業当時からおんぶひもを生産しており,1960年代にはアメリカで特許を取得し海外進出を果たしています。長年にわたって一貫してベビー用品を生み出している日本が誇る一流企業です。

よく考えたら昭和初期からおんぶひもを製品化していたってすごくないですか?

まだ戦前ですよ!

戦前の時代に今の抱っこひもの前身とも呼べるものを考えて作っていたというのは本当に頭が下がります。

しかも、ラッキー工業では原点となったおんぶひもを現在も製品として販売しているんです。初心を忘れず新しいものを作り出す姿勢は好感がもてますよね!

最新のヒップシート!ポルバンアドバンスの特徴

ポルバンアドバンスは2020年2月に発売したばかりのポルバンシリーズの最新上位モデルになります。ダブルショルダーを使って見ると下の様な感じになります。参考までに写真の子はちょうどこの時1歳の男の子で、身長、体重ともやや小さめです。

さっそくレビューをしていこうと思いますが、その前にポルバンアドバンスの基本的な情報だけまとめておきますね。

対象年齢
【ヒップシートのみの場合】
・対面抱っこ/前向き抱っこ:腰がすわる(7ヵ月)頃から~24ヵ月(体重約13kgまで)
・腰抱っこ:腰がすわる(7ヵ月)頃から~36ヵ月(体重約15kgまで)
【ダブルショルダー使用の場合】
・対面抱っこ:首がすわる(4ヵ月)頃から~24ヵ月(体重約13kgまで)
・前向き抱っこ:腰がすわる(7ヵ月)頃から~24ヵ月(体重約13kgまで)
サイズ
本体:21.5cm×22cm、ウエスト:62cm〜105cm
重量
リップストップ:480g、デニムブラック:540g、メランジグレー:570g
価格
本体:9,900円(税込)、ダブルショルダー:3,850円(税込)

こんな感じですが、気になったのがダブルショルダー使用時で体重が13kgくらいまでしか耐えられない点です。あと、おんぶができないんですね。価格は15,000円せずにキャリアまで揃うので、この点は良心的な設定になっていていい感じです。

ではレビューしていきますね。

最初に簡単にまとめてみましたので、ご覧ください。言いたいことはこの表に全て詰まっています。

ポルバンアドバンスの利点・欠点

利点:

1.台座のクッション性が旧型と比較して改善されている

2.収納がたくさんある

3.座面の滑り止めが工夫されている

 

欠点:

1.腰ベルトのクッション性がイマイチ(腰への負担がありそう)

2.ダブルショルダーの背当てが短く、抱っこが安定しない

3.ダブルショルダーと台座との隙間(足を通すところ)が大きく、低月齢や小さい子ではズレ落ちそう

それでは一つずつ丁寧に見ていきたいと思います。

ヒップシートの台座のクッション性が改善

台座のクッション性に関しては、ポルバンアドバンスになって改善された点のようです。このブログでも何度となくご紹介しているのですが、台座には赤ちゃんを乗せますので当然ながら負荷がかかります。

それが腰や肩、台座と接する下腹部へと伝わるのですが、ヒップシートは台座のクッション性が良くないと必ずと言っていいほど、下腹部に痛みが生じます

ヒップシート選びの3か条

2020年1月14日

もう一回言いますね。

『台座のクッション性が悪いと、お腹が痛くなるのです!』

腰や肩うんぬんの前に下腹が痛むとヒップシートは一瞬で却下となります。

それほどまでに重要な台座のクッション性ですが、ポルバンアドバンスでようやく改善されました。写真を見る限り台座下部のクッション性が増しているので、

『下腹部がすぐに痛くなって使えたもんじゃない!』

という代物ではありません。

補足ですが、ポルバンアドバンスの場合は台座が空洞なので、台座のお腹に当たる外側部のクッション性が重要になってきます。

写真でもお分かりのように、かなり厚みがあり素材もウレタンのようなのでミアミリーのスマートのような感じが想像できます。

ミアミリー (Miamily)のスマート(Smart)

2019年11月25日

ただ、実際に使ってみるとお腹に当たる部分のクッションが全面に充実しているわけではないので、ミアミリーのスマートやトッドビーのヒドゥン360ほど優れた台座のクッション性ということではありませんでした。子どもを抱っこした状態で1,2時間歩いていると下腹が圧迫されて痛くなる感じでした。

ポルバンアドバンスは収納が大容量

ヒップシートに対して収納を求める方には朗報です。

座面下の収納以外にも腰ベルトにメッシュポケットとジップポケットの2つが用意されています。

さらに台座下にはプリーツもありハンカチやおしりふきなどを収納できるようになっています。実際にどのくらい収納できるかと言いますとおむつ2枚、おしりふき、着替え、ガーゼハンカチ、マグ、財布さらにスマートフォンとこれだけ入れば別でカバンを用意する必要はありませんよね。何れにしても収納力はヒップシートの中でもトップレベルです。

その代わりですが、台座はやや大ぶりな印象は否めません。

実際に、ヒップシートの寸法を明記してくれているのですが奥行きは平均的なヒップシートと同じですが、横幅と高さが一回り大きいです。台座が大きいのでお世辞にもスタイリッシュなデザインとは言えないのですが、ここが気になる方にはマイナスポイントかもしれません。

ポルバンアドバンスの座面の滑り止め

たまに見かけるタイプなのですが、座面の先端部分が隆起していて赤ちゃんが滑り落ちないように物理的に引っかかるようになっています。もちろん座面にも滑り止めが付いていますので二重で安心ですよね。

ポルバンアドバンスではなく、通常のポルバンでは全面滑り止め加工がしてあるオーソドックスなスタイルだったのに比べて、ポルバンアドバンスではより滑り落ちにくい工夫が加わりました。

この先端部分の突起はヒップシートキャリアとして使用する際は効果を発揮しませんが、ヒップシート単体で使用する際にはそのありがたみを実感できると思います。

さて、次に残念な点を説明していきたいと思います。

腰ベルトと座面のクッション性

Toku Seeのブログを隈なくご覧になっている方はお分かりだと思いますが、腰への負担を考えるとミアミリーのスマートやトッドビーのヒドゥン360が最上位クラスで、ポグネーのNo.5はランクが1つ下がります。ポルバンアドバンスの腰ベルトのクッション性を評価すると以下の様になります。

スマート = ヒドゥン360 > No.5 > ポルバン

クッション性が非常にすぐれたヒップシートを知っているだけに、ポルバンアドバンスには少し物足りなさを感じてしまいました。もちろん、すぐに腰が痛くなるというレベルで悪いわけではないのですが、子どもが10 kgを超えてきたり、長時間の抱っことなると不安を覚えてしまいます。

ヒップシート単体での価格は税込9900円で販売されていますので、廉価なヒップシートでもなく高価でもない。

価格的には妥当ですが、腰への負担がどの程度なのか気になります。この値段であれば、ポグネーNo.5のヒップシート単体の方が総じて優秀だと感じます。

ポグネー(Pognae) : No.5 Neo

2019年11月14日

次にキャリア部分も含めて評価していきますね。

キャリア(ダブルショルダー)は価格こそ5000円未満と良心的ですが、正直おすすめはしません。

その理由を説明していきますね。

ポルバンアドバンスはキャリア(背当て)が短すぎる

正直Toku See基準で評価すると、この点は致命的です。

上の写真をみてお分かりだとは思いますが、キャリア部分が赤ちゃんの背中の途中でおわっています。

赤ちゃんって寝ると脱力して後ろにも反り返りますし、泣いたり怒ったりした時も後ろに反り返ります。そうではなくても、赤ちゃんの体はまだフニャフニャなのできちんと支えてあげる必要があります。

それなのに、背当てが背中の途中でおわっている。。

寝た時の首かっくんが・・・とかいう前に、そもそも上半身がすごく不安定で子どもが少しもぞもぞとしただけで腰に負担がかかってしまいます。

キャリアは1歳前後の赤ちゃんが主に使用すると思いますので、この点は非常に残念ですし、是非とも改善していただきたい点です。

キャリアと台座のすき間が空きすぎ

おそらく台座が大ぶりなため、ダブルショルダーをスリムにすることで全体的な印象をスタイリッシュに見せたかったのかもしれません。

キャリアと台座のすき間といいますか、赤ちゃんが足を通す部分が広すぎるため小さな赤ちゃんですと座る位置がズレてしまいこのすき間にお尻がはまったり、下手をするとすき間から落下することもあるかもしれません。

先ほども言ったようにキャリアが短いため体をしっかり固定できないため、小さなお子様ですと座った姿勢が安定せず体が左右のどちらかにズレていき隙間におしりがはさまったり、最悪の場合落ちそうになる可能性が出てきます。

これは台座との組み合わせなので必ずそうなるかどうかは実際に使ってみないと分かりませんが、使用前から少し不安になる要素の一つと言えます。

ヒップシートキャリアとしての、ポルバンアドバンスは価格が15000円弱と比較的リーズナブルではあります。

しかしながら、キャリア部分が残念なためポルバンアドバンスに関してはダブルショルダーの購入はあまりおすすめしたくはありません。

買うならヒップシート単体ですが、これも腰ベルトにやや不安があるので同じ価格帯であるポグネーNo.5のヒップシート単体のほうが個人的にはおすすめしたいですね。

まとめ

日本のヒップシートの代名詞と言えるポルバンの最新上位モデルであるポルバンアドバンスですが、総合するとこの値段を出すなら他のヒップシートの購入を検討したほうが良さそうというものでした。

また、ダブルショルダーを買ってヒップシートキャリアとして使用したいという方には、比較的低価格という点を差し引いてもおすすめはできない商品です。

日本のメーカーなので、内心は頑張って欲しいという気持ちがあるのですが、まだまだ国内のメーカーで海外メーカーの優秀なヒップシートと肩を並べる商品は出てこないのが残念でもあります。

腰痛持ちにはミアミリーのスマートがおすすめ!

2020年1月28日

赤ちゃんを抱っこするなら絶対このヒップシートをおすすめ!

2020年5月12日