もくじ
こんにちは!Toku-Seeです。
そもそもヒップシートは本当に抱っこひもに比べて腰への負担が軽くなるのでしょうか?ヒップシートの優れている点は一体どこなんでしょうか?
ただ何となく,ヒップシートはいい気がするとかみんながそう言っているのでヒップシートは腰に優しいんでしょと思っている方も多いのではないでしょうか。
その質問に科学的な検証をしてきちんとデータを出して答えを導いてくれている研究成果がありましたので,ご紹介したいと思います。
たまにはToku-See博士らしさを発揮させてくださいね!笑
ご紹介する成果は韓国の研究チームが実施したもので,専門用語等もありますので内容を噛み砕いて分かりやすい形でお伝えしていこうと思います。
実験の目的
この研究の最終目標はより良いベビーキャリアの開発にあります。
そのために,抱っこひもの種類と使い方の違いで体への負担にどのような影響が出るのかを実験で明らかにしようとしています。

実験の方法
腰ベルトはなく背中で肩ベルトをクロスさせて用いるタイプの抱っこひも(X型だっこひも;図の上段),肩ベルトはクロスさせず腰ベルトがある抱っこひも(H型抱っこひも;図の中段),同様に肩ベルトはクロスさせないヒップシートキャリア(H型ヒップシート;図の下段)の3種類の抱っこひもを用いています。
またベビーキャリアの使い方として,ベルトを緩く締めた時と,固く締めた時の2通りを比較しています。

検証する項目としては,
・重心の位置の変化や筋肉の疲労度といった体への負担を客観的に示す数値
・被験者へのアンケートをもとに主観的な疲労度を数値化
を採用しています。
実験の結果
ベビーキャリアの使い方による違い
ベビーキャリアの使い方として,ベルトの締め方を緩くして赤ちゃんとの密着をなくす方がよいのか,締め方を強くして赤ちゃんとより密着した方がいいのかどちらなのでしょうか?
ベルトを緩くしてベビーキャリアを使用すると,客観的なデータとしても主観的な疲労度としても腰や足への負荷がよりかかり疲れやすいという結果となりました。ただし,肩への負担は強くベルトを締めた時よりかは幾分ましになるようです。

それでも,抱っこの安定性という面から考えても赤ちゃんとなるべく密着した方が,体への負担は軽くなるということが言えるかと思います。
ベビーキャリアの種類による違い
客観的なデータに基づく分析では,X型の抱っこひもが最も疲れやすいベビーキャリアだということが示されました。
H型の抱っこひもとヒップシートは肩,腰,足への負担がX型の抱っこひもに比べてとても小さく,特に腰への負担に関してはヒップシートが最も軽いことが示されています。

しかし,主観的な疲労度や動きやすさという点では,X型の抱っこひもの方が最も動きやすいベビーキャリアで腰への負担は感じにくいという結果となりました。
これは,X型の抱っこひもではより赤ちゃんと密着できるため,体の安定性が保ちやすくなったためだと考えられます。逆に言うと,今回の実験で使用したヒップシートは赤ちゃんとあまり密着しないものだったのかもしれません。
Toku Seeの考察
今回ご紹介した研究成果では、結局どのベビーキャリアがベストという結論は得られていません。使い方に関しては、しっかりとベルトを締めた方が疲労がたまりにくいことが分かりました。
ヒップシートに関しては、客観的な疲労度のデータからは抱っこひもよりも腰への負担が軽いベビーキャリアだということが証明されています。しかし、主観的な印象では、疲れやすいという結果でした。ただ、これは赤ちゃんとの密着度合いが足りていないヒップシートを用いたためだと考えています。
そのためより密着できる抱き方であるX型が体感としては、最も動きやすく疲れにくいベビーキャリアという結果になりました。
しかし、最近のより進化したヒップシートでは赤ちゃんとの密着度合いやフィット感は改善されていますし、肩ベルトをクロスさせて使用することのできるヒップシートキャリアも販売されているので、ヒップシートの体感も大きく改善されています。
究極のベビーキャリアは、赤ちゃんとの密着度合いが調整でき、肩ベルトもクロスさせて使用できるヒップシートキャリアということになります。なぜなら客観、主観両面において最も疲れにくいベビーキャリアになるからです。
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